覆うのは　夜の使者
気配が消える砂浜
たたずむは　僕だけで
濡れた靴を見つめる

叶わぬ夢を　追ったつもりで
変わらぬ日々を　守り続けた
それでも人は　そばにいてくれて
わかりあえたと　思っていたのに

サザナミよ　攫ってよ
悔しさだけは残すの？
サザナミよ　伝えてよ
今はなきあの時を

足跡探して　消えぬは傷跡
触れば崩れて　泡立つ想いよ


錆びついた　僕達の
鎖をちぎった言葉
夕闇の　訪れに
似ていたと気づいていた

笑い泣いたね　そんな道のりは
忘れようとも　僕を引き留める
未来はいつも　そばにいるはずの
人のためだと　信じ続けた

願いを込めた指輪　抱いたのも
水面に映るは　無限の虚空
「あきらめ悪いね」　そう言った人は
数えきれない　砂に紛れた


何処へと響いて　癒えぬは傷跡
触ればさざなみ　広がる想いよ
足跡探して　消えぬは傷跡
触れば崩れて　泡立つ想いよ